不思議な父親

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父親が私に「お母さん、どこか行くの?」と聞いて来たのは、母親が珍しくメイクをしていたから。 父親は、母親に直接聞くことはなく、いつも私に聞いて来る。 私、「お母さん、今日どこかへ行くの?」 母親、「どこにも行かないわよ」 私と父親、「・・・」 どこにも行かないのに、どうして母親はメイクをしたのだろう? 私、「良いことでもあったんじゃないの?」 父親、「良いことって何?」 私、「知らないわよ、自分で聞いて」 父親は黙ったまま仕事へ行った。 母親がメイクでキレイになるのは、娘の私は嬉しいのだが、父親はどうやら違うみたい。 仕事から帰って来た父親が目にしたのは、メイクを落とした母親。 母親、「おかえり」 父親、「ただいま」 メイクを落とした母親を見て、父親は私にニコっとした。 どうして、父親はキレイな母親より、メイクを落とした母親のほうが好きなのだろう? 家族3人で家の近所を散歩していると 母親、「うちもそろそろ外壁塗装をしないといけないわね」 父親、「うちはまだ良いよ」 母親、「Aちゃん(私のこと)はどう思う、キレイなおうちか、汚いおうち、どっちが良い?」 そんなの決まっている、キレイなおうちの方が良いに決まっている。 どうして、父親は家の外壁塗装に反対なのだろう? 父親はメイクでキレイな母親も好きではない、もしかして、父親は汚いものの方が好きなのか? 家の外壁塗装が始まると、父親はずっと見ている。 母親が珍しくメイクをしている時も、父親はずっと見ている。 そんな父親を、私はずっと見ている。 外壁塗装で家がキレイになると、父親は私にニコっとした、どうやら、家がキレイになったのは嬉しかったようだ。